「マルフォイって、なんかネタにされがちだよね?」
そう思ったあなた、実はかなり鋭い。
近年、SNSや海外掲示板を中心に、ドラコ・マルフォイの“ミーム(meme)”が人気を集めています。
ミームとは、元ネタの映像やセリフにユーモアや風刺を加えてネット上で拡散される“ネタ画像・動画”のこと。
でも、なぜあの高飛車なスリザリン男子が、こんなにネタにされて、しかも愛されているのでしょうか?
今回は、「マルフォイミーム」の代表例とその人気の理由を探ります。
1. 代表的なマルフォイミームの例
■ “Potter!!”の絶叫シリーズ
有名なのは「POTTER!!」と叫ぶマルフォイの顔面アップ。
セリフ自体は本編に存在しますが、妙に語気が強く、理不尽な怒りに見えることから、「理不尽クレーマー系ミーム」として人気。
- 例:「友達がプリン勝手に食べたとき → POTTER!!!」
- 例:「自分の出番が少ないと知ったマルフォイ → POTTER!!!」
■ “My Father will hear about this”(父に言いつけてやる)
「このことは父に言うからな!(My father will hear about this)」という台詞は、ミーム界隈で伝説化。
権威を振りかざす割に小物っぽく映るため、さまざまなシーンにコラージュされていきました。
- 例:「宿題出されただけで → My father will hear about this」
- 例:「推しが結婚した → My father will hear about this」
■ スネイプに甘える「Slughorn’s Party」シーン
映画『謎のプリンス』で、マルフォイがスネイプに「僕には任務があるんだ…」とすがるシーンは、過剰な中二病キャラとして扱われがち。
- 例:「闇の任務(実はコンビニのバイト)」
- 例:「世界の命運を背負う(と思ってる高校生)」
この過剰な“シリアスぶり”がギャップとしてネタにされやすいのです。
2. なぜマルフォイはミームになりやすいのか?
■ ① 表情と演技が豊かすぎる
トム・フェルトンの表情演技は非常に繊細かつオーバーで、
怒った顔、泣きそうな顔、皮肉な笑い…すべてがコマ送りでミーム化しやすいのです。
■ ② ギャップが大きい
- 見た目:美少年、貴族的、クール
- 中身:小心者、プライド高い、すぐ逃げる
このギャップが「愛されいじられキャラ」に転化し、ファンからも“ネタにしていい存在”として浸透しています。
■ ③ 本編内の“中途半端感”
マルフォイは“悪役”になりきれず、“味方”にもなりきれない存在。
だからこそ、強くもなく弱くもない、どこか親しみやすい立場に共感が集まりやすいのです。
3. ミームから始まる“再評価”の動き
興味深いのは、マルフォイがミームでネタにされるうちに、逆に人気が高まっていったという点です。
■ 「いじられ」から「守りたくなる」へ
- 「憎めない」
- 「ダメなところが人間味」
- 「ツンデレ感がかわいい」
こうした感情移入がファンの間で広がり、最終的に「推しキャラ」へと昇格していくのです。
4. ファン文化としてのミームの意義
ミームとは、単なる笑いではなく、ファンの愛の表現方法のひとつ。
- 作品へのリスペクト
- キャラへの親しみ
- “非公式な物語”を作る楽しみ
マルフォイはそのすべてを備えている、いわば“ミームに愛されたキャラ”なのです。
まとめ:マルフォイはネタにされても、結局みんなに愛されている
「POTTER!!」
「My father will hear about this」
「任務があるんだ…!」
どれも笑ってしまうけれど、どこか切なく、そして人間らしい。
マルフォイミームが多くの人の心をつかむのは、そこに“本物の愛されキャラ”としての魅力があるからです。
ネタにして笑いながら、気づけば「守りたい」と思ってしまう――
それが、マルフォイというキャラの不思議な魔法なのかもしれません。