ドラコ・マルフォイ――
『ハリーポッター』シリーズに登場するスリザリンの少年で、当初は「嫌なヤツ」「いけ好かない金持ち」というイメージが強かったはず。
ところが日本では、彼に対して「かわいい」「守ってあげたい」「実はいい子」といったポジティブな評価が急増。
SNSやファンアート、考察ブログなどで“推し”として支持する層も目立ちます。
では、なぜ日本ではマルフォイに“守りたい感”を抱くファンが多いのでしょうか?
今回はその理由を、日本のキャラクター文化や心理的傾向の観点から読み解いてみます。
1. 日本独特の「ツンデレ」文化との親和性
マルフォイの特徴である、強がり・虚勢・素直じゃない性格は、日本で人気の「ツンデレ」キャラの王道です。
- 表面上は高飛車だけど、本当は孤独で不器用
- 優しさをうまく伝えられない
- プライドが邪魔して素直になれない
こうした「ギャップ」を持つキャラクターは、日本のアニメ・漫画文化において“萌えポイント”として認知されています。
マルフォイはまさにその典型。
「ツンツンしてるのに、実は誰より繊細そう」
→ 守ってあげたくなる!
2. 「弱さ」や「闇」を抱えたキャラへの共感
日本のファンは、完全無欠なヒーローよりも、どこか壊れそうな“人間くさい”キャラに共感する傾向があります。
マルフォイは以下のような要素を抱えています。
- 家族や血統に縛られた重圧
- ヴォルデモートに命令されて追い詰められる
- ハリーとは違い、何も選べなかった少年期
このような背景を知ることで、「ただの嫌なヤツ」ではなく、「救われるべき存在」として映るのです。
3. 「儚さ」「未完成さ」を美徳とする日本の感性
マルフォイには“完璧じゃない”という不安定さがあります。
- 任務に失敗しそうになる
- 最終決戦でも勇敢になりきれない
- 涙や迷いを見せる場面がある
この“未完成”な状態こそが、日本人の「儚さ」に対する美的感覚に訴えかけます。
比較:海外との違い
- 欧米圏:強くて正義の味方=理想的ヒーロー
- 日本:弱くても、苦しんでも、もがく姿に美しさを見出す
4. ギャップ萌えと「反転属性」
マルフォイのもう一つの魅力は、見た目や態度と内面の“ギャップ”です。
外面 | 内面 |
---|---|
高飛車・嫌味・プライド高い | 繊細・臆病・孤独 |
銀髪・貴族的で端正な顔立ち | プレッシャーに押しつぶされそうな10代 |
このギャップに“反転萌え”を感じるのも、日本のキャラ文化ではよく見られる現象です。
5. 「報われなさ」に惹かれる日本の物語観
マルフォイは、最後まで英雄になりません。
- 目立った戦果を挙げるわけでもない
- 成長はするが、はっきりとした“救済”が描かれない
- 結局、自分の立場を守るのがやっと
こうした“報われなさ”は、日本の物語における「美しさ」「切なさ」に通じる重要な要素。
だからこそ、ファンはこう思うのです。
「この子だけは、誰かが守ってあげなきゃ…!」
まとめ:マルフォイは“日本的に愛される”キャラクターだった
日本でマルフォイが“守りたい存在”として人気を集めるのは、偶然ではありません。
むしろ、日本独自のキャラクター受容文化に完璧にマッチした存在だといえるでしょう。
- 不器用な優しさ=ツンデレ
- 弱さを抱えたまま成長=共感性
- ギャップと報われなさ=感情移入の種
あなたも、いつの間にか「マルフォイを守りたい」と思っていたのではないでしょうか?
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