――“冷たい先生”が“静かなるヒーロー”に変わった瞬間
TikTokでは、いま再びスネイプ先生がバズっています。
ハッシュタグ #SnapeTok や #SeverusSnape の投稿数は増え続け、
特に「編集動画(edit動画)」と呼ばれるファンメイド作品が、世界中で注目を集めています。
無表情の中に優しさを感じる演技、報われない愛、そして沈黙の中にある強さ——。
スネイプ先生は短尺動画にこそ映える“静のヒーロー”。
今回は、TikTokで特に人気の高いスネイプ先生編集動画の傾向を、代表的な5タイプに分けて紹介します。
■1. 「Always」エディット系|永遠の愛を描く定番人気
最も再生数が多いのは、やはり“Always”をテーマにした編集動画。
映画『死の秘宝 Part2』のラストで明かされるリリーへの想いを中心に、
静かなピアノBGMやLo-fiサウンドとともに構成される感動系エディットです。
🔹特徴
- スローモーション+セピア調で回想風に編集
- 字幕に「報われなくても、愛は続く」「沈黙こそ愛の証」などのテロップ
- コメント欄には「これ見て泣いた」「一途な愛が尊い」の声多数
このタイプの動画は、“悲しみと優しさの共存”を最も美しく表現しており、
スネイプ人気をTikTokで再燃させた立役者と言えるでしょう。
■2. 「Turn to Page 394」音声リップ系|カリスマ教師の名台詞を再利用
スネイプの低く響く声が特徴的な
“Turn to page 394.”(394ページを開け)
というセリフを使った音声リップ(声に合わせて演技する)系の動画も人気です。
TikTokではこの音声を模倣して「上司バージョン」「先生バージョン」「恋人バージョン」などに応用したパロディが多数投稿されています。
🔹人気ポイント
- スネイプの“冷静な威圧感”を真似して演じるユーザー動画が急増
- 「#Page394」タグが派生し、海外ファンの遊び心が広がる
- 編集動画ではこのセリフをBGMのように使い、彼の存在感を強調
クールで感情を抑えた話し方が、“静かな強さ”の象徴として愛されています。
■3. 「リリー回想」スローモーション系|切ない編集で涙を誘う
スネイプが幼少期のリリーを見つめるシーン、
またはハリーにリリーの瞳を重ねる瞬間をスローモーションで繋げた「回想エディット」も大人気。
Lo-fiピアノやバラードBGMと共に編集され、
“感情を出さない優しさ”を丁寧に切り取った作品が多く投稿されています。
🔹よく使われるBGM
- Billie Eilish「Everything I Wanted」
- Labrinth「Jealous」
- Instrumental “Always” ver.(ファンメイド)
コメント欄には「これは恋ではなく、信念の愛」「静かな涙が一番つらい」など、
深く共感するファンの声が並びます。
■4. 「英雄スネイプ」モノクロ再構成系|“裏の主役”としての再評価
このタイプの編集動画では、スネイプを“裏のヒーロー”として再構成。
彼の過去と現在のシーンを交錯させ、まるでドキュメンタリーのような構成に仕上げるのが特徴です。
🔹編集の特徴
- 全編モノクロ or フィルムグレイン調で統一
- セリフなしで表情だけで語らせる
- ラストに「He was the bravest man I ever knew.(彼は僕の知る限り最も勇敢な人だった)」というハリーの台詞を挿入
このタイプの動画は、映画を超えて“物語を再解釈”するファンによって生まれました。
映像技術の高さと美的センスが融合し、まるで短編映画のような完成度を誇ります。
■5. 「アラン・リックマン追悼」編集動画|俳優への敬意を込めて
TikTokでは、スネイプそのものだけでなく、
彼を演じた俳優 アラン・リックマン に向けた追悼動画も多数投稿されています。
映画のスネイプシーンと、インタビュー映像や舞台裏の写真を織り交ぜ、
「ありがとう、アラン」という言葉で締めくくられる構成が定番です。
🔹特徴
- 彼の声や名言(“Always.”)をナレーションに使用
- “Goodbye, Professor”という英語字幕で締める構成が人気
- ファン世代を超えて「本物の俳優だった」と称賛が広がる
このジャンルは、単なる映画シーンの切り抜きを超え、
“人としてのスネイプ”を感じさせる深みを持っています。
■まとめ:編集動画がスネイプを“令和のヒーロー”にした
TikTokにおけるスネイプ先生の人気は、単なる懐古ブームではありません。
ファンによる「編集=再解釈」を通して、彼の人間的魅力が新しい世代に再発見されているのです。
厳しさの裏にある優しさ。
愛されないまま愛し続けた強さ。
それらを15秒〜30秒という短い動画に凝縮することで、
スネイプは“静かなヒーロー”として時代を超え、再び輝きを放っています。
TikTokのコメント欄にある
“He didn’t need to be loud to be strong.”(声を上げなくても、彼は強かった)
という言葉こそ、まさにスネイプ先生の再評価を象徴しているのかもしれません。

