ドラコ・マルフォイといえば、ハリーポッターシリーズの中で「嫌味で意地悪な少年」というイメージが強いかもしれません。
しかし彼は、物語が進むにつれて内面の葛藤や弱さ、そして少しずつ芽生える変化を見せる“成長するキャラクター”でもあります。
今回は、マルフォイがどのように成長していったのかを、各巻ごとに振り返りながら読み解いていきます。
1. 【賢者の石】傲慢な少年として登場
マルフォイの初登場はホグワーツ入学前。
ハリーに対して「正しい仲間を選ぶべきだ」と声をかけますが、その態度はすでに“選民意識”に満ちたものでした。
- 純血主義の価値観
- 嫌味な言動と他者を見下す態度
- ハリーとの敵対関係の始まり
この時点でのマルフォイは「傲慢で感じの悪い少年」として描かれています。
2. 【秘密の部屋〜炎のゴブレット】対立を深める思春期
中学年にあたるこの時期、マルフォイの性格はさらに攻撃的になります。
- ハーマイオニーへの「血統差別」的な発言
- グリフィンドール生への嫌がらせ
- ハリーへのライバル心の高まり
一方で、父ルシウスの影響が色濃くなり、「父の期待に応えなければならない」というプレッシャーも強くなっていることがうかがえます。
3. 【謎のプリンス】“少年”から“罪を背負う者”へ
シリーズ6作目『謎のプリンス』は、ドラコ・マルフォイの転機となる巻です。
- ヴォルデモートからの“任務”を受ける(ダンブルドア暗殺)
- 家族を守るために自らの命を危険にさらす
- プレッシャーに押しつぶされそうになる様子が描写される
「僕にはできない。誰かを殺すなんて…。」
このセリフに象徴されるように、彼は完全に“悪人”ではなく、葛藤する少年の姿を見せ始めます。
4. 【死の秘宝】中立という選択
最終巻では、マルフォイはもはや明確な“敵”ではありません。
彼は死喰い人として戦いに参加しながらも、明確な意志を持って行動できずにいます。
- ホグワーツでの対立に巻き込まれる
- 必要の部屋でハリーに助けられる
- 最終決戦では戦うよりも家族のもとへ逃げようとする
この“戦わない”という選択は、ある意味で“自分の心に正直になった”証とも言えます。
5. 【エピローグ(19年後)】大人になったマルフォイ
シリーズの最後、19年後のエピローグで登場するマルフォイは、穏やかな表情を浮かべる父親として描かれます。
- 息子スコーピウスを見送る駅で、ハリーと目を合わせて会釈
- かつてのような敵意や虚勢はなく、どこか安堵したような雰囲気
このラストシーンは、彼の“和解”や“内面の変化”を象徴するものとして、多くの読者の印象に残りました。
6. なぜマルフォイの成長が心を打つのか?
ドラコ・マルフォイの成長物語が読者に響く理由は、「完璧ではない人間が、苦しみながらも変わっていく姿」にあります。
- 家族・環境・運命に縛られた少年
- 強がりと虚勢の裏にある“弱さ”
- 誰かを救うことで、自分も救われていくという物語
彼の成長は、ハリーのような“英雄”とは違う、“等身大の葛藤”に共感できるからこそ、深く記憶に残るのです。
まとめ:マルフォイは成長したのか?
マルフォイは“反省した”わけでも、“正義の味方になった”わけでもありません。
しかし、彼は確かに「変わった」のです。
- 自分の弱さを認めたこと
- 自分の選択で行動したこと
- 過去と決別し、未来を選んだこと
それこそが、彼なりの“成長”の証ではないでしょうか。
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